粉末高速度鋼割込
ステンレス鍔付モデル
SAKON RYUGA Bolster
当社は1992年、SRS15粉末ハイス鋼を逸早く採用し、シリーズ名「アルチザン」として鍛造鍔付の最高級モデルを発売。同シリーズは永らく様々な料理人の厳しい現場で信頼に応え続けてきました。左近龍雅はこの銘品「アルチザン」の後継シリーズとして、SRS13粉末ハイス鋼を使用してリニューアルされたものです。
左近龍雅 粉末高速度鋼(ハイス鋼)/本割込シリーズ
本割込シリーズ(改行)研ぎやすさと靭性を与えるために、極軟質ステンレスSUS405の中心にSRS13粉末鋼が割込複合されています。鋭く研ぎ上げられたSRS13は、その微細な分子構造によりシルキータッチと評されるスムーズな切れ味をお約束します。
粉末高速度鋼SRS13と「粉末冶金法」
刃物材料として使用される鋼は、高い硬度と切れ味、靭性、すべてが要求されます。その特性を得るためには、タングステン、モリブデン、ヴァナジウム等の合金元素が添加されます。従来の冶金法では、これらの元素含有率が高いほど鋼の組織は粗くなり、刃物鋼としての条件を充分に満たす事は困難でした。この点を克服し、これらの元素を充分に含有し、鋼を微粒子粉末のまま固める画期的な「粉末冶金法」が開発されました。SRS13はこの粉末冶金法を用い、耐錆性を考慮しクロム元素を更に加え、包丁専用に開発されたものです。その均一微細な組織はHRC65という高硬度でありながら、強靭で刃こぼれに強い特性を併せ持っています。
一般的
ステンレス鋼組織
粉末高速度鋼
SRS13組織
[梨地]
日立金属ヤスキハガネYSS
日立金属ヤスキハガネYSS
古くから刃物鋼に適した砂鉄の産出地として知られる島根県安来市、日立金属(株) 安来工場で製造されるヤスキハガネは不純物の量や添加物の有無によって、主に「白紙」「青紙」の炭素鋼・合金鋼系と「銀紙」等のステンレス鋼に分類されています。 いずれも厳選された高純度原料を、日本刀起源のタタラ製鉄技術を汲む日立独自のレシピで配合することで、高硬度と強い靱性を両立させています。 「銀紙」は5号、3号、1号と区別されますが、銀紙3号鋼は、硬度を決定づける炭素の含有量が0.95~1.1%と最も高く、シリーズ中、特に包丁に適した鋼種とされています。
銀紙3号/SUS405ステンレス・クラッド
左近銀雅のブレード芯材には、この銀紙3号を採用し、焼戻し後の硬度はHRC61を維持しています。クロム含有率13~14%の錆びに強いステンレス鋼でありながら、実際の切れ味は最高級炭素鋼に近く、食材の繊維に対し、滑ることなく、しっかりと切れ込みます。 プロの支持を受けるもう一つの理由は銀紙3号鋼と市販砥石との良好な親和性であり、短時間での再刃付けが可能です。また梨地に仕上げられたブレードは、ネオ・クラシックともいえる気品を備えています。
ハンドル / カラーバリエーション
SAKON GINGA Nashiji-Bolster
日立金属安来鋼ステンレス銀紙3号割込
ステンレス鍔付モデル
[梨地]
日立金属安来鋼ステンレス銀紙3号割込
本通し八角合板柄
SAKON GINGA Nashiji Full-tang
銀紙3号/SUS405ステンレス・クラッド
銀紙3号鋼の硬度を決定づける炭素含有量は日立白紙2号鋼、日立青紙2号鋼に匹敵しており、焼き戻し後の硬度はHRC61度を維持しています。
*銀紙3号鋼詳細はステンレス鍔付モデル項の「日立金属ヤスキハガネYSS」解説も併せてご覧ください。
表層のSUS405ステンレスは熱処理後も極軟質を維持し、ブレードに研ぎ易さを与えると同時に硬い芯材を保護しています。
八角積層プレスウッド/本通しフルタング・ハンドル
耐水性に優れ、手に優しくフィットする八角デザインです。
ハンドル / カラーバリエーション
武生特殊鋼材VG10割込
ステンレス鍔・合板柄モデル
SAKON MURAKUMO Stainless Damask
左近叢雲 ステンレス・ダマスカスシリーズ
全33層に及ぶダマスカス紋様は、異種の軟質ステンレスを交互に圧延・加工することで現れ、その深いグレーと銀色を帯びた輝きをもって使い手を魅了します。芯材には定評あるステンレス鋼VG10が採用されています。
ハンドル 仕様 / カラーバリエーション
ハンドル材にパッカーウッドを採用することにより、耐水性にも優れ、ステンレス鍔とリベット3点止めによる本通しと呼ばれるハンドル構造は、抜群の耐食性を持ち、高強度な仕上がりとなっています。
AUS8本割込
ステンレス鍔・合板柄モデル
SAKON MURAKUMO Hammered
左近叢雲 ステンレス本割込・槌目シリーズ
シリーズ名「叢雲」は神話伝説の天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)をイメージし、そのブレード表面の独特な槌目模様は文字通り群雲を想起させます。 シノギ線の下部、鋼との境界部分は希少な石粉を使用した伝統的な「クモラシ」法で仕上られています。
切れ味と研ぎ易さを与えるため、本割込み構造となっています。高炭素モリブデン鋼AUS8を芯に、極軟質ステンレスSUS405地鉄の3層ブレード。共に14.5%のクロム含有鋼材のため、極めて高い耐食性を誇り、焼き戻し後HRC60の高硬度に仕上げられたAUS8ブレードは、切れ味の保持力に優れています。
ハンドル 仕様 / カラーバリエーション
ハンドル材にパッカーウッドを採用することにより、耐水性にも優れ、ステンレス鍔とリベット3点止めによる本通しと呼ばれるハンドル構造は、抜群の耐食性を持ち、高強度な仕上がりとなっています。